法務局では、30年以上相続登記を行っていない土地につき、所有者不明土地の利用の円滑化等に関する特別措置法により、その土地の所有名義人の法定相続人を調査し、法定相続人情報(法定相続人の一覧図)を作成し、土地の所在地を管轄する法務局へ備え置く作業が進められています。
所有者不明土地は、相続開始しても登記行われないことなどにより生じます。
そして土地管理をしないことによる環境の劣悪化をもたらし、土地売買、土地の有効利用、公共事業による用地買収、災害後の復興工事の施工等に、所有名義人の相続人の探索に時間と費用を必要とします。
そこで所有者不明土地の所有名義人の相続人の探索を図るための方策が特別措置法として規定されています。相続人の探索調査を法務局で行い、その作業が完了した土地については、その土地の登記簿に長期間相続登記がされていない旨の登記が法務局によりされます。
そして登記と共に、調査で確認された法定相続人(共有している場合は、その共有者の任意の1名)に、法務局から相続登記を促す通知書が送付されます。
通知書が届きましたら、土地の場所を法務局の登記事項証明書、公図や住宅地図などで確認するとともに、通知書に記載されている法定相続人情報の作成番号を窓口に伝え、法定相続人情報を取得してください。
※法定相続人情報の取得には手数料(1件につき450円)、認印、身分証明書が必要になります。
法定相続人情報で相続人を確認し、相続人が複数いる場合は、相続人全員でその土地を誰が取得するかの遺産分割協議を行います。
遺産分割協議を書面化し、それに相続人全員が署名・実印押印し、登記申請書と共に印鑑証明書を添付して法務局に提出します。
この法務局から通知された土地の相続登記申請に際しては、被相続人の出生から死亡までの戸籍・改正原戸籍・除籍謄本、相続人の現在の戸籍抄本、土地を取得する相続人の住民票は特例により添付省略が可能です。
また土地によっては、市街化区域外の土地であって,市町村の行政目的のため相続による土地の所有権の移転の登記の促進を特に図る必要があるものとして、法務大臣が指定する土地(法務局にお問い合わせください)のうち、不動産価格が10万円以下の土地は、令和3年3月31日までの間に受ける当該土地の相続による所有権の移転の登記については,登録免許税を課さないこととされません。
以上のように、法務局から通知が来た場合は、相続登記をしやすい環境ではありますので、相続登記をすることを検討してみてはいかがでしょうか。
仮に相続登記をしない場合は、更に相続人が増加し権利関係が複雑化しますし、相続登記をしようとする後の世代が調査に費用を要する負担を負うことになります。
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