前回に引き続き、会社の定款について、お話しします。今回は有限会社の定款です。
旧商法時に設立された有限会社は、会社法施行後も「会社法の規定による株式会社として存続するもの」とされ「特例有限会社」と呼ばれます。
特例有限会社の取締役・監査役には任期の定めが必要ありません。
ですから株式会社のように定期的に役員変更登記をすることがなく、定款の見直しもされていないままの会社も多く見受けられます。
定款の見直すべきポイントをまとめました。
1 | 整備法(会社法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律)による規定の削除 |
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整備法5条1項により、以下の規定は定款に定めがないものとみなされます。
2 | 整備法によるみなし規定 |
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①株式を譲渡により取得することについて会社の承認を要する旨の定めがあります。
株主が株式を譲渡により取得する場合には、会社が承認したものとみなす旨の定めがあるとみなされます。(整備法9条1項)
→株式の譲渡制限に関する規定は職権登記されています。(整備法136条16項2号)
②監査役を置いているときは、監査役の監査の範囲は会計に関するものに限定する旨の規定があるとみなされます。(整備法24条)
→ただし、特例有限会社においては、登記事項ではありません。
3 | その他 |
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①公告方法
旧有限会社法において、公告をする方法の定めがなかった場合、公告方法は官報とされます。(整備法5条2項)
→職権登記されています。
②累積投票
旧有限会社法において、取締役選任決議の累積投票の定めがなかった場合、累積投票を排除する旨の規定があるものとみなされます。
(会社法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律の施行に伴う経過措置を定める政令5条)(会社法342条)
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