定時株主総会の開催時期や議決権行使株主・配当の基準日について定款の定めがある会社は、感染症が流行した場合どうしたらよいでしょうか?
定時株主総会の開催時期に関する定款の定めは、事業年度終了から3ヶ月以内に開催するとしている会社が多いと思われます。
これは、事業年度終了後に決算書を作成する期間、招集の準備を考慮してのことと思われます。
新型コロナウイルス感染症などの感染症により、定款で定めた時期に定時株主総会を開催することができない状況が生じることが考えられます。
このような場合どうしたらいいでしょうか?
その場合は、常識的な考え方で、定款の定めがあったとしても、天災や伝染病がある程度おさまり、開催に要する適当な時間を考慮して、開催をすれば良いでしょう。
令和2年2月28日 (令和3年12月13日更新)に法務省民事局からも同様のお知らせがありました。
よって新型コロナウイルス感染症等により、定款で定めた時期に定時株主総会を開催することができない状況が生じた場合、その状況が解消された後で、合理的な期間内に定時株主総会を開催すれば足りるものと考えられます。
なお、「事業年度の終了後3か月以内に定時株主総会を開催する」との定款の定めが多くの会社で採用されています。
しかし、会社法第296条第1項では、
株式会社の定時株主総会は、
毎事業年度の終了後一定の時期に招集しなければならない
とのみ規定しているだけになります。
「3ヶ月内に開催しなさい」とは要求していませんので、定款の定めを6ヶ月以内に変更することは検討すべきでしょう。
また、会社法第298条第1項第3号・第4号では、
株主は株主総会に出席しないで、
書面又は電磁的方法により議決権を行使すること
が認められていますので、
出席に難色を示す株主には会社から提案してみることもよいでしょう。
定時株主総会の開催日が延びたとして、
「定時株主総会の議決権行使のための基準日」に関する定款の定めをしている場合はどうでしょうか。
これについて、会社法第124条第2項は、
基準日に株主が行使することができる権利は、
当該基準日から3か月以内に行使するもの
に限っています。
ですから、定款で「定時株主総会の議決権行使のための基準日」が定められている場合、感染症で当該基準日から3か月以内に定時株主総会を開催できなくなってしまった会社は、新たに議決権行使のための基準日を定めなければなりません。
そのため、
なお、同じ基準日に関する定款の定めで、特定の日を剰余金の配当の基準日とする定款の定めがある場合があります。
感染症でその特定の日を基準日として剰余金の配当をすることができない状況が生じてしまったときは、定款で定めた剰余金の配当の基準日株主に対する配当は行いません。
その特定の日と異なる日を剰余金の配当の基準日と定めます。
当該基準日に株主に剰余金の配当をすることも可能です。
このような会社は、
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