現存の建物登記に対する附属建物として登記するのであれば、追加担保設定しなくとも抵当権の効力は及びます。
附属建物登記をすることにより、附属建物に対して抵当権が設定されていることに第三者対抗力が生じます。
上記のとおり、附属建物として登記するのであれば、追加設定しなくとも根抵当権の効力は及びます。
但し、民法370条但書により、
抵当権は、~その目的である不動産に付加して一体となっている物に及ぶ。ただし、
・設定行為に別段の定めがある場合
及び
・詐害行為取消ができる場合
はこの限りでない
とあります。
附属建物を主たる建物の登記に追加する表題登記変更登記をすれば、抵当権の効力は及びますが、附属建物に対する追加設定行為をしていないと、「附属建物所有者から別段の定めがあった」として効力が及ぶことを否定する余地があります。
否定をさせないようにするために可能であれば、附属建物に追加担保設定契約をしておいた方が安全と考えます。
なお、主たる建物のときの抵当権設定契約証書に担保設定者に、敷地内に新たに建物を建築した場合の追加担保提供義務条項があれば、附属建物にせよ、独立の建物にせよ、担保設定者には法的に登記義務及び追加担保設定契約義務が生じます。
附属建物として登記しないことは可能ではありますが、新築した建物の所有権を取得した者は、その所有権の取得の日から1か月以内に、表題登記を申請しなければならないこととされています(不動産登記法第47条)。
また、法律上は、表題登記の申請を怠ったときは、10万円以下の過料に処せられることになっています(不動産登記法第164条)。
また附属建物に登記をしないと、当権設定後の従物に根抵当権の効力が及ぶ、という明確な判例がないため、未登記の附属建物の現実の使用形態により、附属建物に主たる建物に設定された抵当権の効力が及ぶか判断することになり、リスクが生じます。
よって
・附属建物は登記をしてもらうこと
及び
・担保設定者による追加担保設定否定の余地を与えないため
に追加担保設定契約を締結することをお勧めします。
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