相続人の一人が海外に住んでいる
- 海外に住んでいる相続人がいる場合の遺産分割協議はどうすればよいのでしょう。
- 通常通り遺産分割協議を行います。
ただし、不動産の名義変更を行うためには、法務局への添付書類として遺産分割協議書を作成する必要があります。この遺産分割協議書には相続人全員が署名し、実印で押印するため、印鑑証明書が必要となります。
ところが、海外に住んでいる相続人は日本に住所がありませんので、署名と押印はできますが、印鑑証明書は添付することができません。
署名証明が必要です。
印鑑証明の代わりとなるのが「署名証明」です。海外では印鑑を使う習慣がなく、サインが利用されることによるものです。
- 現地の日本領事館に出向いて、遺産分割協議書を持参し、領事の面前で署名(及び拇印)することにより発給してもらえます。
- 代理申請や郵送申請はできません。
- 手数料は邦貨1,700円相当です。
尚、日本に一時帰国中であれば、日本の公証人から同様のサイン証明を受けることも可能です。
相続人の一人が海外に住んでいる
この場合は相続人の住民票も必要になりますが、上記理由により住民票も添付することはできません。
在留証明書が必要です。
住民票の代わりとなるのが「在留証明書」です。署名証明と同時に申請するとよいでしょう。
- 外国にお住まいの日本人がどこに住所を有しているかを証明するものです。
在留証明書の発行には「日本国籍があること」のほかに、「現地に既に3ヶ月以上滞在し、現在居住していること」という条件があります。必要書類は在外公館のホームページをご覧下さい。 - 郵送申請ができます。ただし、発給時には領事館に出向く必要があります。
- 手数料は邦貨1,200円相当です。
海外に住んでいる相続人がいる場合は、直接会って話し合いをすることができませんので、電話やメールでやり取りをしなければなりません。書類に不備等があれば、思った以上に時間や費用が多くかかることになりかねません。
通常の場合より慎重に確認し、伝え漏れがないようにすることが大切です。